ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com >
社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
プロフィール
UME(管理人)
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。
ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
e-mail:tizaibunositappa■yahoo.co.jp
(■に@を入れて下さい)
■twilog
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
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2013/01/25 (Fri)
久々に知財系の本のレビューでも書こうと思います。
松倉秀美氏の「黒船特許の正体-Apple、Amazon、Googleの知財戦略を読み解く 」です。
後に述べる事情で、本書は分量的にかなり薄く(約70ページ)、一瞬で読み終わります。
本書は、インターネット企業として世界を席巻しているApple、Amazon、Googleの3社について日本の特許を取り上げつつ、彼らの知財戦略に迫るという内容になっています。
まず、アップルについて紹介されています。
アップルはハードウェアからソフトウェアまでを手がけている企業でありますが、その中でも、タッチパネルをはじめとしたユーザインターフェースの特許取得に熱心であるようです。
例えば、iPhoneなどでおなじみのスワイプによるロック解除、静電容量型のタッチパネル構造、MacでおなじみのPC画面下のアイコン収納ドッグ、初期iPodに用いられた回転ホイールを使った加速スクロールについての特許などです。
さらに、ジョブズがデザインにこだわっていたことを示すように、意匠についてもしっかり権利を取得しています。
iMacやiPadなどの製品本体の意匠に限らず、iPhoneの包装やアップルストアの外観まで意匠をとるという力の入れようです。
(なお、本書とは関係ないですが、アップルのデザインについては、こちらの記事も参考になります。)
やはり、アップル(ジョブズ)がデザインやユーザエクスペリエンスを重視していたことが伺える知財戦略になっています。
さらに、アマゾンの章では有名なワンクリック特許が、グーグルの章ではページランクの特許が紹介されています。
アマゾンについては、技術というよりビジネスモデルに特徴があり、それほど特許取得は進んでいないようです。
グーグルについては、権利譲渡を受けた特許が結構な割合で存在していることが特徴です。
傾向としては、自社ビジネスのコアとなる検索関連については自社で特許を取得し、OSであるAndoroidについては他社から特許を調達しているそうです。
惜しむらくなのは、本書のあとがきにあるように、筆者が執筆中に病気にかかってしまい、執筆が中断してしまったことです。
そのため、本書は、分量的にかなり少ないですし、筆者が書きたかったトピックが書かれないまま終わってしまっているのが残念なところです。
やはり私としては、本書が上記3社の日本特許の紹介だけにとどまっており、肝心なアメリカ本国やそれ以外の国における3社の特許取得状況に触れられていないのは不十分であると思うし、筆者が書く予定でったfacebookやtiwtterなど他のIT企業の知財戦略についても取り上げて欲しかったです。
とは言え、そこらへんの話は、IT業界の知財に身を置くものとして自力で研究するべきという気もしますね・・・。
そいういう意味で、本書は、IT企業の知財戦略について勉強するきっかけとして良いのではないかと思います。
ツイート
松倉秀美氏の「黒船特許の正体-Apple、Amazon、Googleの知財戦略を読み解く 」です。
後に述べる事情で、本書は分量的にかなり薄く(約70ページ)、一瞬で読み終わります。
本書は、インターネット企業として世界を席巻しているApple、Amazon、Googleの3社について日本の特許を取り上げつつ、彼らの知財戦略に迫るという内容になっています。
まず、アップルについて紹介されています。
アップルはハードウェアからソフトウェアまでを手がけている企業でありますが、その中でも、タッチパネルをはじめとしたユーザインターフェースの特許取得に熱心であるようです。
例えば、iPhoneなどでおなじみのスワイプによるロック解除、静電容量型のタッチパネル構造、MacでおなじみのPC画面下のアイコン収納ドッグ、初期iPodに用いられた回転ホイールを使った加速スクロールについての特許などです。
さらに、ジョブズがデザインにこだわっていたことを示すように、意匠についてもしっかり権利を取得しています。
iMacやiPadなどの製品本体の意匠に限らず、iPhoneの包装やアップルストアの外観まで意匠をとるという力の入れようです。
(なお、本書とは関係ないですが、アップルのデザインについては、こちらの記事も参考になります。)
やはり、アップル(ジョブズ)がデザインやユーザエクスペリエンスを重視していたことが伺える知財戦略になっています。
さらに、アマゾンの章では有名なワンクリック特許が、グーグルの章ではページランクの特許が紹介されています。
アマゾンについては、技術というよりビジネスモデルに特徴があり、それほど特許取得は進んでいないようです。
グーグルについては、権利譲渡を受けた特許が結構な割合で存在していることが特徴です。
傾向としては、自社ビジネスのコアとなる検索関連については自社で特許を取得し、OSであるAndoroidについては他社から特許を調達しているそうです。
惜しむらくなのは、本書のあとがきにあるように、筆者が執筆中に病気にかかってしまい、執筆が中断してしまったことです。
そのため、本書は、分量的にかなり少ないですし、筆者が書きたかったトピックが書かれないまま終わってしまっているのが残念なところです。
やはり私としては、本書が上記3社の日本特許の紹介だけにとどまっており、肝心なアメリカ本国やそれ以外の国における3社の特許取得状況に触れられていないのは不十分であると思うし、筆者が書く予定でったfacebookやtiwtterなど他のIT企業の知財戦略についても取り上げて欲しかったです。
とは言え、そこらへんの話は、IT業界の知財に身を置くものとして自力で研究するべきという気もしますね・・・。
そいういう意味で、本書は、IT企業の知財戦略について勉強するきっかけとして良いのではないかと思います。
黒船特許の正体-Apple、Amazon、Googleの知財戦略を読み解く- (OnDeck Books(Next Publishing))
posted with amazlet at 13.01.24
松倉 秀実
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