ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com >
社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
プロフィール
UME(管理人)
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。
ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
e-mail:tizaibunositappa■yahoo.co.jp
(■に@を入れて下さい)
■twilog
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
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2010/11/12 (Fri)
先日、国際標準に関するセミナーに出席しました。
今回が2回目。
講師は、東大の小川紘一先生でした。
(ちなみに、前回の様子はこちら。講師は丸島先生。)
セミナーの内容をかいつまんで言うと、以下のようです。
(例によって、私の理解力の無さによって、小川先生の真意と異なっている部分があるかもしれませんが、あしからず・・・。)
日本はこれまで、①多額の研究費を投資し、②大量の研究者を育成し、③特許登録数が世界トップであり、イノベーションに対して官民合わせて多額の投資を行ってきた。
それにもかかわらず、日本はGDPはマイナス成長、雇用も-300万人と、上記の取り組みが全くビジネスに結びついていない。
これは、研究開発に多額の費用をかけ、それを大量の特許で保護するという、伝統的な知財マネジメントが通用しなくなってきているということである。
すなわち、国際標準化が進むことにより、オープン国際分業化が進み、瞬時に技術が伝播してしまう。
このような環境においては、圧倒的な数の特許を取得しても、その効果は知財コストを僅かに減少させるのみであり、人件費等の間接費を下げ、トータルコストを徹底的に削減している企業には太刀打ちできない。
特にエレクトロニクス等のオープン分業化しつつある(すなわち、パーツがモジュール化し、製品がパーツの組み立てでできてしまう)産業分野では、イノベーション投資が結びつかなくなっている。
しかしながら、わずかなに勝ち組企業も存在し、そのパターンは大きく2つに分けられる。
一つが、パーツ同士の擦り合わせが必要な製品を製造している企業で、これにはデジカメや自動車がある。
(この対極にあるのが、パソコン等の組み合わせ型の製品)
もう一つが、インテルに代表されるタイプのビジネスモデルである。
インテルは、DRAMやHDD等の他のパーツとのインターフェース部分をオープン標準化する一方で、MPUをブラックボックス化しており、この部分は徹底的にクローズにしている。
これはオープン標準化を巧妙に駆使した戦略であり、これからの時代の普遍的な勝ちパターンである。
小川先生の講義を聴いて、私が衝撃的に感じた点が2つあります。
まず、多くの日本企業において、大量の研究開発費が、わずかな知財コストのダウンにしか寄与していない点です。
逆に言えば、知財コストが少々かかっても、研究費等を削減し、トータルのコストをより下げれば、勝負ができるということであり、私の常識を大きく覆えされました。
そして、もう一つは、一端モジュール化してしまった製品においては、もはや間接費の高い日本企業には勝ち目が無いということです。
現在は擦り合わせが必要な製品であっても、標準化の流れの中で、モジュール化が進んでいく可能性があり(パソコンは元々、擦り合わせ型の製品だった)、日本のわずかな勝ち組企業も将来的には負け組になってしまうのではないかと思いました。
自分が勤めている会社の製品はすでにモジュール化しているのか、あるいはこれからしていくのかということを考えて、非常に危機感を感じました。
非常に考えさせられるセミナーでしたね。
■関連
・第1回「国際標準と知財マネジメント」
・第3回「知財マネジメント人材と標準マネジメント人材」
今回が2回目。
講師は、東大の小川紘一先生でした。
(ちなみに、前回の様子はこちら。講師は丸島先生。)
セミナーの内容をかいつまんで言うと、以下のようです。
(例によって、私の理解力の無さによって、小川先生の真意と異なっている部分があるかもしれませんが、あしからず・・・。)
日本はこれまで、①多額の研究費を投資し、②大量の研究者を育成し、③特許登録数が世界トップであり、イノベーションに対して官民合わせて多額の投資を行ってきた。
それにもかかわらず、日本はGDPはマイナス成長、雇用も-300万人と、上記の取り組みが全くビジネスに結びついていない。
これは、研究開発に多額の費用をかけ、それを大量の特許で保護するという、伝統的な知財マネジメントが通用しなくなってきているということである。
すなわち、国際標準化が進むことにより、オープン国際分業化が進み、瞬時に技術が伝播してしまう。
このような環境においては、圧倒的な数の特許を取得しても、その効果は知財コストを僅かに減少させるのみであり、人件費等の間接費を下げ、トータルコストを徹底的に削減している企業には太刀打ちできない。
特にエレクトロニクス等のオープン分業化しつつある(すなわち、パーツがモジュール化し、製品がパーツの組み立てでできてしまう)産業分野では、イノベーション投資が結びつかなくなっている。
しかしながら、わずかなに勝ち組企業も存在し、そのパターンは大きく2つに分けられる。
一つが、パーツ同士の擦り合わせが必要な製品を製造している企業で、これにはデジカメや自動車がある。
(この対極にあるのが、パソコン等の組み合わせ型の製品)
もう一つが、インテルに代表されるタイプのビジネスモデルである。
インテルは、DRAMやHDD等の他のパーツとのインターフェース部分をオープン標準化する一方で、MPUをブラックボックス化しており、この部分は徹底的にクローズにしている。
これはオープン標準化を巧妙に駆使した戦略であり、これからの時代の普遍的な勝ちパターンである。
小川先生の講義を聴いて、私が衝撃的に感じた点が2つあります。
まず、多くの日本企業において、大量の研究開発費が、わずかな知財コストのダウンにしか寄与していない点です。
逆に言えば、知財コストが少々かかっても、研究費等を削減し、トータルのコストをより下げれば、勝負ができるということであり、私の常識を大きく覆えされました。
そして、もう一つは、一端モジュール化してしまった製品においては、もはや間接費の高い日本企業には勝ち目が無いということです。
現在は擦り合わせが必要な製品であっても、標準化の流れの中で、モジュール化が進んでいく可能性があり(パソコンは元々、擦り合わせ型の製品だった)、日本のわずかな勝ち組企業も将来的には負け組になってしまうのではないかと思いました。
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