ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com >
社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
プロフィール
UME(管理人)
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。
ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
e-mail:tizaibunositappa■yahoo.co.jp
(■に@を入れて下さい)
■twilog
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
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2013/12/08 (Sun)
最近出た知財本を読みましたので、ご紹介したいと思います。
タイトルは、「NPE訴訟と新知財戦略 日本企業が米国式特許ビジネスで成長するために 」で、著者はダニエル・ マクドナルド氏。
マクドナルド氏は、アメリカの弁護士で、知財訴訟の第一人者だそうです。
本書は、NPE(パテントトロール)から訴訟を起こされた場合に、被告(企業)がどのように対策をしたら良いのかというところにフォーカスして書かれています。
以下、自分が本書を読んでなるほどと思った点をまとめます。
◾︎予防
・標準に注意:NPEは標準化で使われる技術をカバーする特許を探すことが多い。
・NPEは公開情報に基づいて、企業を選ぶ。自社のHPに必要以上に技術を開示しない。
・訴訟を起こされていないうちに、文書の破棄・保管規定を整理し、運用しておく。
→訴訟の際の電子証拠開示(eディスカバリ)における負担を軽減できる。
◾︎NPEに訴えられたら
・裁判の早い段階で損害賠償額を算定し、裁判の進行に合わせて見積もりをアップデートする。
→NPEは通常、高い損害賠償額をふっかけてくる。事前に算定しておくことで、それよりもはるかに少ない額を逆提案することができる。
・NPEの訴えに合理的根拠がないこと(合理的根拠の提出を求めること)を裁判の早い段階で通知しておく。
→被告が勝訴した場合に、弁護士費用を回収できる根拠になる。
・先行文献を探し、特許が無効である旨を通知しておく。
・NPEを逆提訴。反トラスト法違反を根拠に。
・PTOに再審査請求をする。裁判所よりもPTOの方が特許が無効になる可能性がはるかに高い。
◾︎損害賠償額の算定
・最近の裁判では、特許の対象となっている商業的に価格を特定できる最小構成部分を特定し、それをベースに算出することが推奨されている。
・最近では、同じ特許に関する他のライセンス契約の内容(ライセンス料)が適切な特許使用料を算出するための基準として重視されるようになってきた。
◾︎その他、NPE訴訟におけるTips
・独自の特許を取得しておく:陪審に対して、原告の特許とは違う、あるいはより優れた技術を被告が使っているというアピールになる。(法律的には抗弁にならないが。。)
・裁判以外の解決方法:NPEと直接対話することで、ビジネス取引(NPEが欲しがっている特許を売却するなど)で解決できる可能性がある。
本書を読んで、NPEとの訴訟においては、特許を侵害しているか、特許が無効であるかといった観点だけでなく、損害賠償額や裁判費用をいかに減らすかという点が非常に大事なんだなぁと感じました。
そしてそのためには、1にも2にも訴訟を提起された際の初動が肝心であるということを学びました。
本書は、NPE訴訟におけるベーシックな内容を解説したものとなっており、実務で警告状や訴訟を対応されている方であれば、当たり前だと思える内容も多いかもしれません。
しかしながら、NPEに対応するために知っておくべき必要最小限の知識や方法論が非常に簡潔にまとめられており、分かりやすいです。
また、ページ数はそれほど多くなく、サクッと読めるので、おすすめです!
◾︎関連
・パテントトロール
・死蔵特許
・知財の利回り
タイトルは、「NPE訴訟と新知財戦略 日本企業が米国式特許ビジネスで成長するために 」で、著者はダニエル・ マクドナルド氏。
マクドナルド氏は、アメリカの弁護士で、知財訴訟の第一人者だそうです。
本書は、NPE(パテントトロール)から訴訟を起こされた場合に、被告(企業)がどのように対策をしたら良いのかというところにフォーカスして書かれています。
以下、自分が本書を読んでなるほどと思った点をまとめます。
◾︎予防
・標準に注意:NPEは標準化で使われる技術をカバーする特許を探すことが多い。
・NPEは公開情報に基づいて、企業を選ぶ。自社のHPに必要以上に技術を開示しない。
・訴訟を起こされていないうちに、文書の破棄・保管規定を整理し、運用しておく。
→訴訟の際の電子証拠開示(eディスカバリ)における負担を軽減できる。
◾︎NPEに訴えられたら
・裁判の早い段階で損害賠償額を算定し、裁判の進行に合わせて見積もりをアップデートする。
→NPEは通常、高い損害賠償額をふっかけてくる。事前に算定しておくことで、それよりもはるかに少ない額を逆提案することができる。
・NPEの訴えに合理的根拠がないこと(合理的根拠の提出を求めること)を裁判の早い段階で通知しておく。
→被告が勝訴した場合に、弁護士費用を回収できる根拠になる。
・先行文献を探し、特許が無効である旨を通知しておく。
・NPEを逆提訴。反トラスト法違反を根拠に。
・PTOに再審査請求をする。裁判所よりもPTOの方が特許が無効になる可能性がはるかに高い。
◾︎損害賠償額の算定
・最近の裁判では、特許の対象となっている商業的に価格を特定できる最小構成部分を特定し、それをベースに算出することが推奨されている。
・最近では、同じ特許に関する他のライセンス契約の内容(ライセンス料)が適切な特許使用料を算出するための基準として重視されるようになってきた。
◾︎その他、NPE訴訟におけるTips
・独自の特許を取得しておく:陪審に対して、原告の特許とは違う、あるいはより優れた技術を被告が使っているというアピールになる。(法律的には抗弁にならないが。。)
・裁判以外の解決方法:NPEと直接対話することで、ビジネス取引(NPEが欲しがっている特許を売却するなど)で解決できる可能性がある。
本書を読んで、NPEとの訴訟においては、特許を侵害しているか、特許が無効であるかといった観点だけでなく、損害賠償額や裁判費用をいかに減らすかという点が非常に大事なんだなぁと感じました。
そしてそのためには、1にも2にも訴訟を提起された際の初動が肝心であるということを学びました。
本書は、NPE訴訟におけるベーシックな内容を解説したものとなっており、実務で警告状や訴訟を対応されている方であれば、当たり前だと思える内容も多いかもしれません。
しかしながら、NPEに対応するために知っておくべき必要最小限の知識や方法論が非常に簡潔にまとめられており、分かりやすいです。
また、ページ数はそれほど多くなく、サクッと読めるので、おすすめです!
NPE訴訟と新知財戦略 日本企業が米国式特許ビジネスで成長するために
posted with amazlet at 13.12.08
ダニエル・マクドナルド(著) 佐々木 隆仁(編・訳) 杉浦 和彦(編・訳)
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