知られざる特殊特許の世界

今日は、私のオススメの本を紹介してみたいと思います。

 稲森謙太郎著、「知られざる特殊特許の世界」です。
 

この本は、「特殊特許＝発明者、権利範囲、発明の内容などがフツーじゃない特許」を紹介するというもの。
 

特許公報をもとにおもしろ発明を分かりやすく解説していますが、それだけではありません。

その特許が使われてる製品を調べてみたり、発明者に発明の経緯などを質問するために質問状を送ったり、インタビューしたりと、かなりの労力をさいています。

 

紹介されている特許はかなりおもしろいです。

例えば、
大仁田厚が考案者の「格闘技用リング」（実登録３００９５８９）、
松下電器産業が出願した「しゃべる漫才人形」（特開平９－１３１４６８）、
大手ゼネコンであるフジタの出願「放尿強さ測定装置」（特開平８－８６００１）など、
「えっ、この人がこんなものを？！」と思うような特許がたくさんあります。

 

他にも、電波系というか、変な内容の特許が紹介されています。

特におもしろかったのが、「神薬」（特開平６－１９７９８７）の特許。

「私（出願人）が食物や飲料などに念をこめると、全ての病気を癒し万物を丈夫にする神薬ができる」（！）というものです。

普通なら小難しい技術がえんえんと書いてある特許公報に、ピラミッドの前で祈祷するだの、幽体離脱して三途の川に行っただの書いてあるんだから、たまりません（笑

 

こんなはっちゃけた特許を紹介しつつも、途中でちゃんと特許制度の解説や、知財がらみの事件を紹介しているのがこの本の凄いところ。 

 知財関係の本で、ここまで笑えておもしろい本は、後にも先にもこの本だけでしょう。

 

一般の人が笑いながら通読できて、しかも特許の知識が身に付く本にする、という作者の目標は見事に達成されています！

 

特許の世界への入門書として、強く勧めたい一冊。

※参考
筆者のサイトです
いなぽん（稲森謙太郎）のホームページ
 

知られざる特殊特許の世界

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稲森 謙太郎
太田出版
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