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ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com > 社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
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プロフィール
c302f6a6.jpg UME(管理人)

某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。

ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
e-mail:tizaibunositappa■yahoo.co.jp
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2008/07/28 (Mon)
前に書いた、明細書作成についてのプレゼンが、ついに明日に迫りました。

ここまで、先輩や上司から色々アドバイスをもらい、資料を推敲し、さらに4回の予行演習をやってまさに万全の状態!


・・・と思いきや、実はそうでもなかったりします・・・。

質問対策が不十分だし、私のプレゼンもスムーズだとは言えません。
まあ、こういうのは突きつめ出すとキリが無いんですけどね。

とりあえず、今から対策をがんばって、ばっちりプレゼンできるようにします。


っていうか、ブログなんか書いてる場合じゃないだろって話ですが(笑
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2008/07/27 (Sun)
勝手に使うな!知的所有権のトンデモ話 (講談社プラスアルファ新書)「知られざる特殊特許の世界」の著者、稲森謙太郎氏の本です。

今回は、知的財産にまつわる訴訟、その中でも特に著作権に関するものを中心に解説しています。
相変わらず、知財をあまり知らない人でも楽しめるようなざっくばらんな語り口は健在!

キャンディ・キャンディ事件、三島由紀夫の手紙掲載事件、LEC違法コピー事件、ニセたまごっち事件など、皆に馴染みのある人や物についての事件が解説してあります。


個人的におもしろかったのが、ときめきメモリアル事件についての解説です。
ときメモの事件は2つ挙げてあって、そのうちの1つは弁理士受験生に有名な「主人公のパラメーターをMAXにするメモリーカード」に関するもの。(※1参照)
こちらは知っていたのですが、もう一方の、同人ビデオ「どぎまぎイマジネーション」についての事件は知りませんでした。
ちなみに同人ビデオとは、アニメやゲームに登場するヒロインの2次創作物(この場合はアニメーションビデオ)のこと。
その多くは、個人製作であり、同人誌即売会やそれを扱っているショップなどで流通しています。

この「どぎまぎイマジネーション」の製作者を相手取り、コナミが著作権侵害で訴えたという事件です。
で、その「どぎまぎ~」の内容はというと、「ときメモの人気ヒロイン藤崎詩織が、伝説の樹の下で次々に性行為に及ぶ」(!)というもの。(※2参照)
要は、アダルトビデオなわけです(笑
当然、原作のときメモにはHシーンはありませんので、「このビデオは清純な詩織のイメージを汚すものだ!」と怒った詩織ファンがコナミ対して苦情を入れたというのが事件のきっかけです。

本書では、ここらへんの同人業界の事情がやたら詳しく書かれているのが笑えました。
もしかして、筆者はリアルに体験してるのかな(笑

ちなみに、判決は製作者にビデオの差止めと損害賠償(約230万円)が言い渡されたそうです。
製作者(被告)は「これは同人文化の一環としての創作活動だからいいじゃないか!」という旨の主張をしたが、相手にされなかったそうです(涙


ちなみに、本書が出版されたのは2001年12月ですが、それ以降稲森氏は著作活動から遠ざかっているようです。
こういう切り口で知財について書けるのは氏しかいないと思うので、非常に残念ですね。
また、こういう本を出してくれることを願ってます。


※1 上記メモリカードを使うと、主人公のパラメーターがMAXの状態でゲームが始まるため、ヒロインを簡単に攻略できてしまう。これに対して、コナミは同一性保持権の侵害であるとして、このメモリーカードの販売業者を訴えた。最高裁は、このメモリーカードはゲーム本来のストーリーを改変するものであるとして、コナミの主張を認め、販売業者に損害賠償の支払いを命じた。
※2 こちらに「どぎまぎ~」の詳しいレビューがあります(笑
同人ビデオどぎまぎイマジネーション(赤紙堂)

勝手に使うな!知的所有権のトンデモ話 (講談社プラスアルファ新書)
稲森 謙太郎
講談社
売り上げランキング: 596510
 
おすすめ度の平均: 3.5
1 ユル~い本ですな。
3 もう少し、法律の視点があるとよかった
3 著作権だけでは守れない著作者の権利もある
5 知的所有権の事件簿。読み物としても十分楽しめる。
5 知的所有権の事件簿。読み物としても十分楽しめる。
 

■関連
知られざる特殊特許の世界
女子大生マイの特許ファイル

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2008/07/26 (Sat)
気になったニュースを紹介します。

特許庁で民間も驚きの“カイゼン”プロジェクトが進行中

国のお役所と言えば、閉塞的で旧態依然としたイメージしか浮かんでこないんですが、特許庁は違うようですね。

知財の分野は日進月歩です。
技術革新によって発明はどんどん新しい概念のものが生まれてくるし、それに伴って法律も毎年のように改正されています。
知財を創出する企業や大学などの国内外の事情も刻々と変化しています。
そんな状況にあって、特許庁は常に革新的な組織である必要があります。

だから、特許庁が組織内の効率を図ったり、ユーザーの要望に耳を傾けたりしているという上記のニュースは非常に喜ばしいですね。


あと、前々から話があった、審査ハイウェイ(日本、米国、欧州の特許庁で審査結果を共有する制度)を試行するみたいです。(※参照)

トライウェイって名前で7月28日から開始とのこと。
これも含めて特許庁にはがんばってもらいたいです。

トライウェイ試行について
2008/07/25 (Fri)
明細書を作ってて、大ミスをかましてしまいました・・・。
教訓として、ここに書いておきます。


特許請求の範囲で、請求項1はある物の構造についてクレームしており、請求項2でそれを具体的なパラメーターで表現しているという例です。
これについての実施例の記載で、請求項2のパラメーターの数値範囲に入るものを実施例とし、数値範囲から外れるものを比較例として書いてしまったのです。

ここで問題になったのが、比較例の中に請求項1の範囲に含まれるものが混じっていたということです。

請求項1は言葉で規定しているものなので、請求項2の数値範囲には含まれないが請求項1の範囲に入るものが存在します。
それを、比較例(本発明の効果が得られていないもの)として挙げるのはマズい・・・。
つまり、「請求項1の一部は発明の効果が無い」ということを自認しているようなものなのです。
当然、このことを審査官に突かれると、請求項2に限定補正するしか道が無くなってしまいます。

従って、上記のようなものについては、少し効果が劣る実施例として記載すべきなのです。

実はこれ、私の上司に指摘されたものなんですが、化学の分野ではよくあるミスなんだそうです。

ほんと、注意しないと。
2008/07/23 (Wed)
昨日は知財部の集会があるってことで、本社まで出ました。
いやぁ、毎度のことながら、出張は胸が躍るなぁ(笑

昼休みに、数ヶ月ぶりに本社勤務の友人と会うことができたりと、楽しかったです。


集会では、おエライさんのお話がありました。
その中で、
「特許出願の件数に対して、審査請求をするのが半分くらいしかない。こんな無駄なことをしていてはダメだ。」
というコメントがありました。

確かに、審査請求をしない出願というのは、審査がされぬまま出願日から3年経過後にみなし取り下げがされてしまいます。(特許法48条の3第4項)
従って、そんな出願に対して、明細書の案文を練ったり、発明者と話したするのに費やした時間は無駄であるというわけです。

しかし、これは結果論にすぎないと思います。
何故なら、出願して、審査請求をする時点で初めて先行文献が見つかる場合があります。
加えて、技術動向の変遷から特許を取る必要がなくなるという出願もあります。
このような出願が、どうしても全出願に対して一定数存在するわけです。

進歩性の主張が難しく審査に通らないような出願や特許を取っても意味の無い出願に対して、わざわざ審査請求をする必要があるのでしょうか?
ちなみに出願にかかる費用に対して、審査請求にかかる費用は圧倒的に高いです。(※参照)
従って、費用対効果の面で、あえて審査請求をしない意義があるわけです。
さらに、拒絶理由対応などで、これ以上時間をとられないようにするという意味もあります。
つまり、審査請求をしないという選択は、ある意味損切りなのです。

上記のような理由で、審査請求をするべき出願と、そうでない出願を選り分けるのも知財部員の重要な仕事であると思うんですがどうでしょう?

もっとも、おエライさんに言わせれば、出願前に完璧に先行文献調査をして、必要なものだけ出願しろってことなんでしょうけどね。


※出願料=15000円
審査請求料=168600円+(請求項の数×4000円)
(2008年7月現在)
参考:産業財産権関係料金一覧(2008年6月1日以降)
2008/07/20 (Sun)
『知財IQ』をみがけ!―感度の高さがビジネス成功の第一歩 2年くらい前に読んだ本ですが、おもしろかったので書評を書いてみたいと思います。

タイトルは「知財IQをみがけ!」。

本書によると知財IQとは、「発明・特許などの知的財産の全てに関する、知覚、感覚の鋭さのこと」だそうです。
タイトルのとおり、知的財産をうまいこと使ってピンチを切り抜けたり、おいしい思いをしたような例が取り上げられています。
ちなみに、「知財IQ」は筆者の登録商標だそう(笑

先使用権、分割出願、特許侵害、無効審判、さらには意匠、商標、不正競争と、各トピックごとに事例が物語形式で紹介されています。
割と平易な文章で書かれており、非常に読み易いです。


印象に残ったのは、ある機械メーカーが特許侵害である旨の警告状を受け、製品販売を中止するように追い込まれた話。
しかし、このメーカーは諦めず、自社と権利者の製品の違いを見つけ出し、それについて意匠を取得。
最終的に、この意匠権を武器に、クロスライセンスまで持って行ったというものです。

この柔軟な対応こそが知財IQなのだと思いました。

特許はもちろん、意匠、商標、著作権を利用する手もあるのです。
さらには不正競争や営業秘密なども考慮する必要があるかもしれません。
知財とはもっと自由なものであるということに気付かされました。

本書は一般向けに書かれたものですが、知財=特許という硬直的な考えをしがちな知財部員こそ読むべきなんじゃないかと思います。

きっと、視野の狭さに気付かされるはず!
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