ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com >
社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
プロフィール
UME(管理人)
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。
ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
e-mail:tizaibunositappa■yahoo.co.jp
(■に@を入れて下さい)
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某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
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2011/02/14 (Mon)
たまには、特許実務の記事でも書こうと思います。
「化学系(特に材料関係の)明細書においては、ストーリーが重要である!」という話です。
メカとか電気系の発明を担当している人にこの話をすると、ハァ?という顔をされます(笑)
そもそも、そこら辺の分野では、ストーリーという概念があまり無いみたいですからね。
ちなみに、ここでいう「ストーリー」とは、発明の効果が発生する(推定)メカニズムを(もっともらしく)説明する筋書きのことです。
化学系明細書でストーリーを重視するのには、以下の様な背景があります。
化学系の発明において、材料やら製法やらでクレームを規定すると、どうしてもクレームの範囲が狭くなったり、検証性が無くなったりしてしまします。
そこで、化学系のクレームでは、パラメーター(数値限定)による規定がしばしば用いられます。
しかしながら、このパラメーター発明は、実際に実施例で効果が確認されている態様以外のもの(全く別の材料を使っていたり、製法が異なっていたりする)にまで、権利範囲を拡張しようとするもので、当然36条の拒絶理由を受け易くなります。
これに対しては、色んな材料や製法についても実験を行って、実施例を目いっぱい充実させるという手もありますが、限度があるし、手間もかなりかかってしまいます。
そこで、記載不備をクリアするために、クレームの範囲と実施例でサポートしている範囲の乖離をなんとか埋めれないかと考えた末、「ストーリー」という概念が考案されたのです。
発明の効果が発生するメカニズムを明細書に書いておいて、且つそれがある程度もっともらしいものであれば、多少実施例が心もとなくてもなんとか記載不備を受けずに済むだろう、という考えです。
化学系明細書でストーリーを重視するのには、この様な事情があるのです。
もしかしたら、私が知らないだけで、メカや機械系の明細書作成においても、ストーリーは重要なのかもしれませんが、やはり、メカや機械系のストーリーと化学系のストーリーとでは大きな違いがあります。
それは、化学系の明細書におけるストーリーは、「十中八九、胡散臭い」ということです(笑)
やはり、ミクロレベルで分子だの粒子だのの挙動がどうなっているかなんて、なかなかきっちり検証することが難しいですからね。
最近の審査では、ストーリーでサポート要件を補うことが難しくなってきており、厳しい審査官には「(明細書中のストーリーが)想像の域を出ない」と指摘されることもあります。
そんなわけで、私は最近、このストーリーというものについて疑念をもっています。
一生懸命ストーリーを考えたとして、それが本当に役に立つのかと。
逆に万が一ストーリーが事実と異なっていた場合に、それを盾に権利行使を逃れられたりする可能性もあるわけですし・・・。
ただ、自分の周りでは、ストーリーはちゃんと書こうねっていう雰囲気ではあります。
なかなか、難しい問題ですね・・・。
■関連
・明細書のストーリーとは?2
「化学系(特に材料関係の)明細書においては、ストーリーが重要である!」という話です。
メカとか電気系の発明を担当している人にこの話をすると、ハァ?という顔をされます(笑)
そもそも、そこら辺の分野では、ストーリーという概念があまり無いみたいですからね。
ちなみに、ここでいう「ストーリー」とは、発明の効果が発生する(推定)メカニズムを(もっともらしく)説明する筋書きのことです。
化学系明細書でストーリーを重視するのには、以下の様な背景があります。
化学系の発明において、材料やら製法やらでクレームを規定すると、どうしてもクレームの範囲が狭くなったり、検証性が無くなったりしてしまします。
そこで、化学系のクレームでは、パラメーター(数値限定)による規定がしばしば用いられます。
しかしながら、このパラメーター発明は、実際に実施例で効果が確認されている態様以外のもの(全く別の材料を使っていたり、製法が異なっていたりする)にまで、権利範囲を拡張しようとするもので、当然36条の拒絶理由を受け易くなります。
これに対しては、色んな材料や製法についても実験を行って、実施例を目いっぱい充実させるという手もありますが、限度があるし、手間もかなりかかってしまいます。
そこで、記載不備をクリアするために、クレームの範囲と実施例でサポートしている範囲の乖離をなんとか埋めれないかと考えた末、「ストーリー」という概念が考案されたのです。
発明の効果が発生するメカニズムを明細書に書いておいて、且つそれがある程度もっともらしいものであれば、多少実施例が心もとなくてもなんとか記載不備を受けずに済むだろう、という考えです。
化学系明細書でストーリーを重視するのには、この様な事情があるのです。
もしかしたら、私が知らないだけで、メカや機械系の明細書作成においても、ストーリーは重要なのかもしれませんが、やはり、メカや機械系のストーリーと化学系のストーリーとでは大きな違いがあります。
それは、化学系の明細書におけるストーリーは、「十中八九、胡散臭い」ということです(笑)
やはり、ミクロレベルで分子だの粒子だのの挙動がどうなっているかなんて、なかなかきっちり検証することが難しいですからね。
最近の審査では、ストーリーでサポート要件を補うことが難しくなってきており、厳しい審査官には「(明細書中のストーリーが)想像の域を出ない」と指摘されることもあります。
そんなわけで、私は最近、このストーリーというものについて疑念をもっています。
一生懸命ストーリーを考えたとして、それが本当に役に立つのかと。
逆に万が一ストーリーが事実と異なっていた場合に、それを盾に権利行使を逃れられたりする可能性もあるわけですし・・・。
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なかなか、難しい問題ですね・・・。
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・明細書のストーリーとは?2
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