ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com >
社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
プロフィール
UME(管理人)
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。
ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
e-mail:tizaibunositappa■yahoo.co.jp
(■に@を入れて下さい)
■twilog
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
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2013/06/05 (Wed)
ちょっと前に書店で見かけて購入した本を紹介します。
「明治の特許維新 外国特許第1号への挑戦! 」。
著者は、櫻井孝氏で、特許庁の審査部長をされている方です。
本書は、特許制度の黎明期である明治時代の話を紹介した、特許の歴史についての本です。
第1章は、日本人で初めて米国特許を取得した人物を巡る物語が紹介されています。
その名を、平山甚太。
横浜の花火製造会社である平山煙火の経営者であった人物です。
彼は昼花火についての発明をアメリカに特許出願し、結果的にそれが日本人の米国特許第1号になるのですが、本書では、平山が米国特許出願から特許を取得するまでを詳細に紹介しています。
第2章は、日本人で初めて英国特許を取得した人物についてです。
西川虎之助という人物で、液化ガスを用いた機械についての発明で特許を取ったそうです。
そして第3章では、日本における特許制度がいかにして制定されたかについて、主に外国人の特許出願の受け入れという観点から、その経緯が事細かに書かれています。
その流れをかいつまんで紹介すると・・・、
・明治4年に日本初の特許法(専売略規則)が制定。→翌年廃止
・明治18年、専売特許条例が施行。この段階では、実質的に外国人は出願適格性が無い。
・アメリカ、イギリス、ドイツなどと条約締結に向けた交渉。(特許等についての内国民待遇などが盛り込まれる)
・明治30年、日本での外国人特許の第1号(アメリカ人)が成立。
という感じになります。
諸外国と条約が締結され、外国人の特許出願が受け入れられるようになるまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
条約の文言を巡っては国内でも様々な議論があったし、さらには条約交渉の際に外交官が暴走して条約の内容が日本政府の思惑と離れてしまったりして、本当に紆余曲折があったんだなということが分かります。
そして、特許制度の制定というのは、当時の外交上の重要問題だったんですね。
本書を読んで、よくもまあ当時のことをこれだけ調べたもんだなぁと思いました。
巻末の、筆者が平山甚太の人物写真を特定するに至ったエピソードが、本書が筆者の粘り強い調査と取材に基づくものであることを端的に表しています。
やはり、このような著者の労力のかかった本を読むのは、有意義であるし、読書ならではの贅沢であると感じますね。
それから、本書を読んでいて、明治時代の熱気というのを感じました。
本書は、物語調の文章ではなく、当時の文書などに基づいた客観的な事実がメインなのですが、それでも、その文章の端々に明治時代の人々の熱い思いがにじみ出ているかんじでした。
明治時代というのは、国の制度やインフラが未整備で国として未熟であった反面、チャンスに溢れた時代でもあったというイメージです。
本書は、そんな明治時代の様子を特許というスコープで覗き見るような、そういった印象を感じずにはいられませんでした。
■関連
・これからの特許の話をしよう
・知的財産戦略(丸島義一)
・女子大生マイの特許ファイル
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「明治の特許維新 外国特許第1号への挑戦! 」。
著者は、櫻井孝氏で、特許庁の審査部長をされている方です。
本書は、特許制度の黎明期である明治時代の話を紹介した、特許の歴史についての本です。
第1章は、日本人で初めて米国特許を取得した人物を巡る物語が紹介されています。
その名を、平山甚太。
横浜の花火製造会社である平山煙火の経営者であった人物です。
彼は昼花火についての発明をアメリカに特許出願し、結果的にそれが日本人の米国特許第1号になるのですが、本書では、平山が米国特許出願から特許を取得するまでを詳細に紹介しています。
第2章は、日本人で初めて英国特許を取得した人物についてです。
西川虎之助という人物で、液化ガスを用いた機械についての発明で特許を取ったそうです。
そして第3章では、日本における特許制度がいかにして制定されたかについて、主に外国人の特許出願の受け入れという観点から、その経緯が事細かに書かれています。
その流れをかいつまんで紹介すると・・・、
・明治4年に日本初の特許法(専売略規則)が制定。→翌年廃止
・明治18年、専売特許条例が施行。この段階では、実質的に外国人は出願適格性が無い。
・アメリカ、イギリス、ドイツなどと条約締結に向けた交渉。(特許等についての内国民待遇などが盛り込まれる)
・明治30年、日本での外国人特許の第1号(アメリカ人)が成立。
という感じになります。
諸外国と条約が締結され、外国人の特許出願が受け入れられるようになるまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
条約の文言を巡っては国内でも様々な議論があったし、さらには条約交渉の際に外交官が暴走して条約の内容が日本政府の思惑と離れてしまったりして、本当に紆余曲折があったんだなということが分かります。
そして、特許制度の制定というのは、当時の外交上の重要問題だったんですね。
本書を読んで、よくもまあ当時のことをこれだけ調べたもんだなぁと思いました。
巻末の、筆者が平山甚太の人物写真を特定するに至ったエピソードが、本書が筆者の粘り強い調査と取材に基づくものであることを端的に表しています。
やはり、このような著者の労力のかかった本を読むのは、有意義であるし、読書ならではの贅沢であると感じますね。
それから、本書を読んでいて、明治時代の熱気というのを感じました。
本書は、物語調の文章ではなく、当時の文書などに基づいた客観的な事実がメインなのですが、それでも、その文章の端々に明治時代の人々の熱い思いがにじみ出ているかんじでした。
明治時代というのは、国の制度やインフラが未整備で国として未熟であった反面、チャンスに溢れた時代でもあったというイメージです。
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