ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com >
社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
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プロフィール
UME(管理人)
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。
ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
e-mail:tizaibunositappa■yahoo.co.jp
(■に@を入れて下さい)
■twilog
某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。
ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
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2013/07/28 (Sun)
先月から始めた企画、「知財部員の本棚」。
直近の1ヶ月で読んだ一般書籍を紹介するコーナーですが、今月もがんばってやってみたいと思います(笑)
1冊目にご紹介するのがケヴィン・ダットンの「サイコパス 秘められた能力 」です。
本書は、タイトルの通り、サイコパスについて書かれた本です。
サイコパスというと、殺人鬼とか精神異常者といったマジやべぇ人物像が思い浮かびますが、本書では、そのようなサイコパスの負の面だけでなく、サイコパス特有の強みに目を向けます。
CEOや政治家など、世の中のいわゆる成功者たちの中にサイコパス的な資質を持った人が多くいますが、本書では、どのようなサイコパス的資質が成功に結びついたのかや、そのような成功者と凶悪犯罪者とを分ける要因は何かについて考察しています。
また、著者自らが、サイコパスが収監される施設に潜入取材をしたり、頭に電極をつけて局所電流を流し、サイコパスを擬似体験をするなど、見所がたくさんあります!
本書を読めば、サイコパスの持つ恐ろしくも魅力的な特性に惹きつけられるでしょう。
2冊目は、安田峰俊氏の「和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人 」です。
安田氏は、前回紹介した「独裁者の教養 」の著者でもあります。
本書では、中国で暮らす日本人(=和僑)に焦点を当て、彼らの生活や中国で暮らすようになった経緯などをインタビューや取材で明らかにしていくというものです。
紹介されるのは、中国の山奥で暮らす2ちゃんねらー、上海で日系暴力団を組織するヤクザ、マカオで働く風俗嬢、上海の駐在員など。
しかし、ただ人にインタビューするだけにはとどまらず、著者自らが中国のアンダーグラウンドな世界にどっぷり入り込んで取材をしていくところが本書の大きな見所です。
特に中国の山奥で暮らす2ちゃんねらーを訪ねる話はおもしろかったです。
2ちゃんへの書き込みと投稿された村の風景写真だけを頼りに、雲南省の山奥まで行って人探しをするのは、まさに現代の冒険譚ですね!
次に紹介するのが、「新聞記者 司馬遼太郎 」です。
司馬遼太郎は、小説家として活躍する前は、産経新聞社の新聞記者だったのですが、本書ではその新聞記者時代に主に焦点を当てています。
本書では、戦後の大阪の焼け野原で、若き日の司馬遼太郎が電柱に貼られた新聞記者募集の張り紙を見つけるところから始まり、新世界新聞社、新日本新聞社を経て、産経新聞社の記者となり、そこから小説家としてデビューするに至るまでのエピソードが書かれています。
司馬先生は後に小説家として大成するわけですが、実は、新聞記者としての活動が小説家司馬遼太郎の基礎を作り上げたということがわかり、おもしろいです。
そして、司馬先生は、終生新聞記者としての魂を持ち続けていたんですね。
本書を読めば、司馬先生の作品に対して違ったが見方ができるようになるのでは?!
というわけで、今月は3冊の紹介でした。
そんなかんじで来月もまた!
■関連
・知財部員の本棚(2013年6月)
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直近の1ヶ月で読んだ一般書籍を紹介するコーナーですが、今月もがんばってやってみたいと思います(笑)
1冊目にご紹介するのがケヴィン・ダットンの「サイコパス 秘められた能力 」です。
本書は、タイトルの通り、サイコパスについて書かれた本です。
サイコパスというと、殺人鬼とか精神異常者といったマジやべぇ人物像が思い浮かびますが、本書では、そのようなサイコパスの負の面だけでなく、サイコパス特有の強みに目を向けます。
CEOや政治家など、世の中のいわゆる成功者たちの中にサイコパス的な資質を持った人が多くいますが、本書では、どのようなサイコパス的資質が成功に結びついたのかや、そのような成功者と凶悪犯罪者とを分ける要因は何かについて考察しています。
また、著者自らが、サイコパスが収監される施設に潜入取材をしたり、頭に電極をつけて局所電流を流し、サイコパスを擬似体験をするなど、見所がたくさんあります!
本書を読めば、サイコパスの持つ恐ろしくも魅力的な特性に惹きつけられるでしょう。
2冊目は、安田峰俊氏の「和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人 」です。
安田氏は、前回紹介した「独裁者の教養 」の著者でもあります。
本書では、中国で暮らす日本人(=和僑)に焦点を当て、彼らの生活や中国で暮らすようになった経緯などをインタビューや取材で明らかにしていくというものです。
紹介されるのは、中国の山奥で暮らす2ちゃんねらー、上海で日系暴力団を組織するヤクザ、マカオで働く風俗嬢、上海の駐在員など。
しかし、ただ人にインタビューするだけにはとどまらず、著者自らが中国のアンダーグラウンドな世界にどっぷり入り込んで取材をしていくところが本書の大きな見所です。
特に中国の山奥で暮らす2ちゃんねらーを訪ねる話はおもしろかったです。
2ちゃんへの書き込みと投稿された村の風景写真だけを頼りに、雲南省の山奥まで行って人探しをするのは、まさに現代の冒険譚ですね!
次に紹介するのが、「新聞記者 司馬遼太郎 」です。
司馬遼太郎は、小説家として活躍する前は、産経新聞社の新聞記者だったのですが、本書ではその新聞記者時代に主に焦点を当てています。
本書では、戦後の大阪の焼け野原で、若き日の司馬遼太郎が電柱に貼られた新聞記者募集の張り紙を見つけるところから始まり、新世界新聞社、新日本新聞社を経て、産経新聞社の記者となり、そこから小説家としてデビューするに至るまでのエピソードが書かれています。
司馬先生は後に小説家として大成するわけですが、実は、新聞記者としての活動が小説家司馬遼太郎の基礎を作り上げたということがわかり、おもしろいです。
そして、司馬先生は、終生新聞記者としての魂を持ち続けていたんですね。
本書を読めば、司馬先生の作品に対して違ったが見方ができるようになるのでは?!
というわけで、今月は3冊の紹介でした。
そんなかんじで来月もまた!
和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人
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安田 峰俊
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新聞記者 司馬遼太郎 (文春文庫)
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産経新聞社 産業経済新聞社= 産業經済新聞社= 産經新聞社= 産経新聞= 産經新聞= サンケイ新聞社=
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■関連
・知財部員の本棚(2013年6月)
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2013/07/16 (Tue)
今回は趣向を変えて、英語学習についての記事を書きたいと思います。
知財の仕事には英語が必要!
ということで、私も定常的に英語を勉強しているのですが、どの教材を使って勉強するかについて試行錯誤しています。
色々試した中で、やはりネイティブが作った教材がいい!という結論に至り、最近では専らそれを使っています。
そこで、私が学習用に使っているサイトをご紹介したいと思います。
まずご紹介するのが、"Business English Pod"(以下、BEP)です。
BEPはPodcastで配信されており、無料でダウンロード、視聴することができます。
(iTunesでBEPと検索すれば出てきます。)
コンテンツの基本的な構成としては、まず、ダイアローグがあり、そのやり取り中で使われた言い回しについてナレーターが解説していくスタイルです。
ナレーションを含め、テキストはすべて英語!
名前の通り、特にビジネスにフォーカスしたトピックが多いです。
電話対応、プレゼンテーション、ミーティングの司会進行などビジネスにおいてよくある場面で、実践的な言い回しを学ぶことができます。
こういうビジネスシーンで話す英語は、わりと決まりきった表現のものが多いので、BEPで使われている表現で自分が覚えやすいものをいくつか暗記しておけば、すぐに実践で使えると思います。
また、BEPのサイト上では、Podcastの原稿(study note)がありますが、こちらは会員(有料)のみ閲覧可能となっております。
私はListeningだけで全部聞き取れるほどのレベルではないので、有料会員になっています。
ちなみに、料金は、12-month-membershipが91ドルです。
Free Trialもできるので、興味のある方は試してみては?
その他に、ESL Podcastもオススメです。
iTunesでESLと検索すれば諸々のコンテンツが出てきます。
こちらも、BEPと同じ様な構成で全編英語ですが、ナレーターの方が非常にゆっくり話してくれるので、BEPよりは難易度が低めです。
テーマは日常会話が多いですが、幅広くカバーされています。
また、TOEFLに特化したコンテンツもあります。
なお、日本語が書いてない教材は敷居が高いという方には、「英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版 」がオススメです。
本書は、その名の通り、テーマごとに短めのダイアローグがあり、それを通して単語を学んでいくという構成になっています。
単語が会話の流れの中でどのように使われるかが分かるので、非常に頭に入りやすいです。
勉強法としては、CDの音声を聴く→音読するのセットをやっていって、最終的に各トピックごとに5回くらい繰り返すというのが良いと思います。
今流行りのシャドウイングをやっても良いでしょう。
私も学生の時にこの教材で英語を勉強していましたが、これをやることで語彙力が身につき、TOEICの点がかなり伸びたことを記憶しています。
以上、英語学習の教材のご紹介でした。
参考になれば幸いです。
■関連
・グローバル人材について
・カランメソッドって?
・Skype英会話はじめました!
ツイート
知財の仕事には英語が必要!
ということで、私も定常的に英語を勉強しているのですが、どの教材を使って勉強するかについて試行錯誤しています。
色々試した中で、やはりネイティブが作った教材がいい!という結論に至り、最近では専らそれを使っています。
そこで、私が学習用に使っているサイトをご紹介したいと思います。
まずご紹介するのが、"Business English Pod"(以下、BEP)です。
BEPはPodcastで配信されており、無料でダウンロード、視聴することができます。
(iTunesでBEPと検索すれば出てきます。)
コンテンツの基本的な構成としては、まず、ダイアローグがあり、そのやり取り中で使われた言い回しについてナレーターが解説していくスタイルです。
ナレーションを含め、テキストはすべて英語!
名前の通り、特にビジネスにフォーカスしたトピックが多いです。
電話対応、プレゼンテーション、ミーティングの司会進行などビジネスにおいてよくある場面で、実践的な言い回しを学ぶことができます。
こういうビジネスシーンで話す英語は、わりと決まりきった表現のものが多いので、BEPで使われている表現で自分が覚えやすいものをいくつか暗記しておけば、すぐに実践で使えると思います。
また、BEPのサイト上では、Podcastの原稿(study note)がありますが、こちらは会員(有料)のみ閲覧可能となっております。
私はListeningだけで全部聞き取れるほどのレベルではないので、有料会員になっています。
ちなみに、料金は、12-month-membershipが91ドルです。
Free Trialもできるので、興味のある方は試してみては?
その他に、ESL Podcastもオススメです。
iTunesでESLと検索すれば諸々のコンテンツが出てきます。
こちらも、BEPと同じ様な構成で全編英語ですが、ナレーターの方が非常にゆっくり話してくれるので、BEPよりは難易度が低めです。
テーマは日常会話が多いですが、幅広くカバーされています。
また、TOEFLに特化したコンテンツもあります。
なお、日本語が書いてない教材は敷居が高いという方には、「英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版 」がオススメです。
本書は、その名の通り、テーマごとに短めのダイアローグがあり、それを通して単語を学んでいくという構成になっています。
単語が会話の流れの中でどのように使われるかが分かるので、非常に頭に入りやすいです。
勉強法としては、CDの音声を聴く→音読するのセットをやっていって、最終的に各トピックごとに5回くらい繰り返すというのが良いと思います。
今流行りのシャドウイングをやっても良いでしょう。
私も学生の時にこの教材で英語を勉強していましたが、これをやることで語彙力が身につき、TOEICの点がかなり伸びたことを記憶しています。
以上、英語学習の教材のご紹介でした。
参考になれば幸いです。
英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版
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秋葉 利治 森 秀夫
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■関連
・グローバル人材について
・カランメソッドって?
・Skype英会話はじめました!
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2013/07/03 (Wed)
今回紹介するのが、佐久間健氏の「特許と危機管理: アップルとサムスンの特許を巡る武闘裁判 」です。
春ぐらいに店先で見つけて購入したのですが 、プライベートで諸々時間が取られ、読み終えるまでにずいぶん時間がかかってしまいました。
本書では、タイトルにあるように、危機管理という観点から特許にまつわる諸問題について書かれています。
具体的には、国内外における特許訴訟の事例、米国における特許訴訟の基礎知識、国際標準化など。
さらに、副題にあるように、アップルとサムスンの裁判についてかなりの紙面を割いて紹介しています。
本書の前半では特許侵害による訴訟リスク、特に過去に日本企業が巻き込まれた特許訴訟について書かれています。
TI(テキサスインスツルメンツ)が半導体の特許で日本企業数社を訴えた事件や、ハネウェルがAFの特許でミノルタなどを訴えた事件など、一昔前の有名な事件が一通り網羅されており、結構参考になりました。
しかし、本書のメインのトピックであるはずの、アップルとサムスンの訴訟合戦についての章がかなりビミョーです。
アップルとサムスンの事件について、単に時系列で新聞記事を並べただけであり、ちゃんとした整理がされていません。
はっきり言って、ネットに転がっているニュース記事を時系列順にコピペした程度のデキです。
結局、「そいうえばそんなニュースあったよね」くらいの感想しか覚えず、大して得るものがありませんでした。
さらに、本筋とは関わりがない事件(GoogleやMSの動き)などが頻繁に挿入されているため、一層分かり辛いです。
(まあ、この点については、アップルv.サムスンの事件が他社にどういう影響を与えているかが分かるというメリットがあるので、判断が難しいところですが。)
やはり、時系列ではなく、使われている特許や裁判地ごとにトピックを分けるなどの工夫が欲しかったところです。
ご存知のように、アップルとサムスンの事件は世界のあちこちで裁判が行われている上、対象となる製品や特許も複数あるため、相当複雑です。
だから、事件をわかりやすく解説した本というのは相当ニーズがあるはずなのですが、それだけに、本書が上記のようなまとめ方になってしまっているのが非常に残念でした。
さらに、苦言を言わせてもらうと、全体的に誤字脱字が非常に多い!
まともに校閲作業をしてないんじゃないかと思えるレベルで、編集者、出版社は一体何をやってるのかと。
というわけで、上記のような欠点があるため、本書の評価は厳しいものとならざるを得ません。
ただし、本書は、「本」としてはかなりイマイチな代物ですが、中に含まれている情報としてはそれなりに使えるので、資料的な価値はあると思います。
はなから資料目的だと割りきって買うのであれば、それほど不満を覚えないかもしれませんね。
■関連
・黒船特許の正体
・知財戦略の教科書
・知的財産戦略
・下町ロケット
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春ぐらいに店先で見つけて購入したのですが 、プライベートで諸々時間が取られ、読み終えるまでにずいぶん時間がかかってしまいました。
本書では、タイトルにあるように、危機管理という観点から特許にまつわる諸問題について書かれています。
具体的には、国内外における特許訴訟の事例、米国における特許訴訟の基礎知識、国際標準化など。
さらに、副題にあるように、アップルとサムスンの裁判についてかなりの紙面を割いて紹介しています。
本書の前半では特許侵害による訴訟リスク、特に過去に日本企業が巻き込まれた特許訴訟について書かれています。
TI(テキサスインスツルメンツ)が半導体の特許で日本企業数社を訴えた事件や、ハネウェルがAFの特許でミノルタなどを訴えた事件など、一昔前の有名な事件が一通り網羅されており、結構参考になりました。
しかし、本書のメインのトピックであるはずの、アップルとサムスンの訴訟合戦についての章がかなりビミョーです。
アップルとサムスンの事件について、単に時系列で新聞記事を並べただけであり、ちゃんとした整理がされていません。
はっきり言って、ネットに転がっているニュース記事を時系列順にコピペした程度のデキです。
結局、「そいうえばそんなニュースあったよね」くらいの感想しか覚えず、大して得るものがありませんでした。
さらに、本筋とは関わりがない事件(GoogleやMSの動き)などが頻繁に挿入されているため、一層分かり辛いです。
(まあ、この点については、アップルv.サムスンの事件が他社にどういう影響を与えているかが分かるというメリットがあるので、判断が難しいところですが。)
やはり、時系列ではなく、使われている特許や裁判地ごとにトピックを分けるなどの工夫が欲しかったところです。
ご存知のように、アップルとサムスンの事件は世界のあちこちで裁判が行われている上、対象となる製品や特許も複数あるため、相当複雑です。
だから、事件をわかりやすく解説した本というのは相当ニーズがあるはずなのですが、それだけに、本書が上記のようなまとめ方になってしまっているのが非常に残念でした。
さらに、苦言を言わせてもらうと、全体的に誤字脱字が非常に多い!
まともに校閲作業をしてないんじゃないかと思えるレベルで、編集者、出版社は一体何をやってるのかと。
というわけで、上記のような欠点があるため、本書の評価は厳しいものとならざるを得ません。
ただし、本書は、「本」としてはかなりイマイチな代物ですが、中に含まれている情報としてはそれなりに使えるので、資料的な価値はあると思います。
はなから資料目的だと割りきって買うのであれば、それほど不満を覚えないかもしれませんね。
■関連
・黒船特許の正体
・知財戦略の教科書
・知的財産戦略
・下町ロケット
特許と危機管理: アップルとサムスンの特許を巡る武闘裁判
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佐久間 健
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2013/06/29 (Sat)
最近頻繁にニュースになっていますが、政府の知的財産戦略本部が職務発明制度の見直しを検討しているとのことです。
ニュースのソースとなっている「 知的財産政策に関する基本方針」 及び 「知的財産政策ビジョン」 によれば、
①従業員がした職務発明は、使用者(会社)に帰属にする(英国、フランス、ロシア、オランダ、 中国タイプ)
又は、
②職務発明の取り扱いについては、従業員と使用者との契約に委ねる(アメリカタイプ)
に職務発明制度を変更するという案が出ているようです。
皆さんご存知のように、現状の職務発明規定では、「職務発明 は原則従業員帰属で、会社に承継させる場合には相当の対価を払わなければならない」となっていますので、制度の見直しによって、発明者の権利が弱められてしまうという捉え方もできます。
ここで私見を言わせてもらうと、今の日本のように裁判で高額な発明報奨が認められるのは、やはりクレイジーな状況だと思うので、上記のように制度を見直すことでそれがなくなればいいことだという気がします。
企業の従業員は、会社の資金、設備、人員があってはじめて研究開発ができるわけだし、発明を製品化し収益化するにあたっては生産管理、営業、マーケティング、会社のブランド力などの貢献が多大なわけです。
いくら素晴らしい技術を発明したからといって、その発明だけで製品が売れる(金が儲かる)と考えるのは、多くの場合間違いでしょう。
加えて、会社の従業員であれば、基本的には研究がうまくいこうがいくまいが、安定的な給料が得られるという立場にあります。
これらのことを考えると、会社の従業員である以上、研究開発に対してほとんどリスクをとっていないことになります。
低いリスクしかとってないにも関わらず、大きなリターン(多額の発明報奨)が得られるというのは、どう考えても道理に合わないでしょう 。
そして、発明以外の貢献(発明報奨の対象にならない人の貢献)が多大にあるにも関わらず、発明者だけに高額な対価を支払うというのは公平性を欠いています。
(もちろん、ある程度の対価は必要だとは思いますが。)
この職務発明制度の見直しに対して、企業の搾取につながるとか、発明者の国外流出を招くみたいな懸念を煽っている論説を見かけますが、上で述べた理由から発明者の貢献を過剰に評価しているし、的外れな指摘じゃないかと思います。
そもそも、現状多くの企業では、入社時に職務発明を自動的に企業に譲渡するような契約を従業員に結ばせているので、職務発明制度が変わったからといって、それほど大きな影響があるとは思えません。
こちらの記事で城繁幸氏が指摘しているように、全体的な報酬体系の中に発明の対価を組み込み、企業と従業員との契約に委ねるというのが時代の流れに合っているのかなという気がします。
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ニュースのソースとなっている「 知的財産政策に関する基本方針」 及び 「知的財産政策ビジョン」 によれば、
①従業員がした職務発明は、使用者(会社)に帰属にする(英国、フランス、ロシア、オランダ、 中国タイプ)
又は、
②職務発明の取り扱いについては、従業員と使用者との契約に委ねる(アメリカタイプ)
に職務発明制度を変更するという案が出ているようです。
皆さんご存知のように、現状の職務発明規定では、「職務発明 は原則従業員帰属で、会社に承継させる場合には相当の対価を払わなければならない」となっていますので、制度の見直しによって、発明者の権利が弱められてしまうという捉え方もできます。
ここで私見を言わせてもらうと、今の日本のように裁判で高額な発明報奨が認められるのは、やはりクレイジーな状況だと思うので、上記のように制度を見直すことでそれがなくなればいいことだという気がします。
企業の従業員は、会社の資金、設備、人員があってはじめて研究開発ができるわけだし、発明を製品化し収益化するにあたっては生産管理、営業、マーケティング、会社のブランド力などの貢献が多大なわけです。
いくら素晴らしい技術を発明したからといって、その発明だけで製品が売れる(金が儲かる)と考えるのは、多くの場合間違いでしょう。
加えて、会社の従業員であれば、基本的には研究がうまくいこうがいくまいが、安定的な給料が得られるという立場にあります。
これらのことを考えると、会社の従業員である以上、研究開発に対してほとんどリスクをとっていないことになります。
低いリスクしかとってないにも関わらず、大きなリターン(多額の発明報奨)が得られるというのは、どう考えても道理に合わないでしょう 。
そして、発明以外の貢献(発明報奨の対象にならない人の貢献)が多大にあるにも関わらず、発明者だけに高額な対価を支払うというのは公平性を欠いています。
(もちろん、ある程度の対価は必要だとは思いますが。)
この職務発明制度の見直しに対して、企業の搾取につながるとか、発明者の国外流出を招くみたいな懸念を煽っている論説を見かけますが、上で述べた理由から発明者の貢献を過剰に評価しているし、的外れな指摘じゃないかと思います。
そもそも、現状多くの企業では、入社時に職務発明を自動的に企業に譲渡するような契約を従業員に結ばせているので、職務発明制度が変わったからといって、それほど大きな影響があるとは思えません。
こちらの記事で城繁幸氏が指摘しているように、全体的な報酬体系の中に発明の対価を組み込み、企業と従業員との契約に委ねるというのが時代の流れに合っているのかなという気がします。
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2013/06/12 (Wed)
自分は結構読書が好きなもんで 、よく本を読みます。
知財系の本については、このブログでちょくちょく紹介してきたのですが、それ以外のジャンルについても紹介したい!という密かな欲求がありました。
というわけで、新しい試みとして、最近読んだ本(知財系以外)を紹介する企画をやってみたいと思います。
題して「知財部員の本棚」!(笑)
とりあえず、先月読み終わった本についてご紹介します。
まず、1冊目は、「知の逆転 (NHK出版新書 395) 」です。
この本は、「文庫 銃・病原菌・鉄 」の作者ジャレド・ダイヤモンド、「妻を帽子とまちがえた男 」のオリバー・サックス、DNAの構造を解明したジェームズ・ワトソンなどの知の巨人たちへのインタビューをまとめたもの。
テーマは、最先端の研究の話から、宗教、教育制度など多岐に及びますが 、やはり彼らからのコメントは叡智に満ちたものであるなぁと感じました。
この本では、彼らの専門の話は割合として少ないので、もっと深い内容が知りたくなります。
この本で気になった人の著書を読んでみるというのも面白そうです。
(私は、本書を読んだあと、オリバー・サックスの「妻を帽子とまちがえた男」を買いました。)
続いて紹介するのは、安田峰俊氏の「独裁者の教養 (星海社新書) 」です。
本書では、スターリン、ヒトラー、毛沢東、フセインなどの世界に名だたる独裁者達の若かりし頃の話がつづられています。
彼らがいかにして独裁者まで上りつめたのか、幼少期の彼らの経験がその後の人生にどう影響を与えたのか、非常に興味深かったです。
さらに、著者が独裁者の国の様子を直で経験するために、中国とミャンマーとの国境付近にあるワ州に潜入したときの体験記が書かれており、超密度の濃い本となっております。
私がここ数年読んだ中では、間違いなくダントツで面白かった本です!
超絶オススメです!
お次は、後藤眞氏の「老化は治せる (集英社新書) 」です。
本書によれば、老化は体の中の炎症が原因で起こるものだそうです。
アスピリンが炎症を抑える効果があるとして期待が持たれているそうですが、まだまだ研究段階であり、これをやれば老化は防止できるみたいな方法論ははっきりしていないというのが実情のようです。
それ以外に本書で紹介されている老化防止法は、小食、低体温、運動をする、7時間睡眠、などよく知られているようなものだったので、少し残念だったかなと。
老化防止というのはある意味人々の悲願でもあるので、今後の研究が期待されますね。
最後に紹介するのは、島田裕巳氏の「神道はなぜ教えがないのか (ベスト新書) 」です。
本書によれば、神道は、教義もない、教組もない、救いもないという「ない」宗教であり、このような特殊な性質のために「ある」宗教である仏教との共存(神仏習合)が可能になった、とのことです。
本書では上記のような神道の本質(特殊性)を、神道が辿った歴史を考察しながら、非常に丁寧に解説しています。
本書は、普段あまり我々が意識しない「神道」という日本人のルーツを改めて考える良い機会を与えてくれます。
というわけで、今回は以上となります。
もしやる気が続いていれば次回もあるかな(笑)
■関連
・知財部員の本棚(2013年7月)
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知財系の本については、このブログでちょくちょく紹介してきたのですが、それ以外のジャンルについても紹介したい!という密かな欲求がありました。
というわけで、新しい試みとして、最近読んだ本(知財系以外)を紹介する企画をやってみたいと思います。
題して「知財部員の本棚」!(笑)
とりあえず、先月読み終わった本についてご紹介します。
まず、1冊目は、「知の逆転 (NHK出版新書 395) 」です。
この本は、「文庫 銃・病原菌・鉄 」の作者ジャレド・ダイヤモンド、「妻を帽子とまちがえた男 」のオリバー・サックス、DNAの構造を解明したジェームズ・ワトソンなどの知の巨人たちへのインタビューをまとめたもの。
テーマは、最先端の研究の話から、宗教、教育制度など多岐に及びますが 、やはり彼らからのコメントは叡智に満ちたものであるなぁと感じました。
この本では、彼らの専門の話は割合として少ないので、もっと深い内容が知りたくなります。
この本で気になった人の著書を読んでみるというのも面白そうです。
(私は、本書を読んだあと、オリバー・サックスの「妻を帽子とまちがえた男」を買いました。)
続いて紹介するのは、安田峰俊氏の「独裁者の教養 (星海社新書) 」です。
本書では、スターリン、ヒトラー、毛沢東、フセインなどの世界に名だたる独裁者達の若かりし頃の話がつづられています。
彼らがいかにして独裁者まで上りつめたのか、幼少期の彼らの経験がその後の人生にどう影響を与えたのか、非常に興味深かったです。
さらに、著者が独裁者の国の様子を直で経験するために、中国とミャンマーとの国境付近にあるワ州に潜入したときの体験記が書かれており、超密度の濃い本となっております。
私がここ数年読んだ中では、間違いなくダントツで面白かった本です!
超絶オススメです!
お次は、後藤眞氏の「老化は治せる (集英社新書) 」です。
本書によれば、老化は体の中の炎症が原因で起こるものだそうです。
アスピリンが炎症を抑える効果があるとして期待が持たれているそうですが、まだまだ研究段階であり、これをやれば老化は防止できるみたいな方法論ははっきりしていないというのが実情のようです。
それ以外に本書で紹介されている老化防止法は、小食、低体温、運動をする、7時間睡眠、などよく知られているようなものだったので、少し残念だったかなと。
老化防止というのはある意味人々の悲願でもあるので、今後の研究が期待されますね。
最後に紹介するのは、島田裕巳氏の「神道はなぜ教えがないのか (ベスト新書) 」です。
本書によれば、神道は、教義もない、教組もない、救いもないという「ない」宗教であり、このような特殊な性質のために「ある」宗教である仏教との共存(神仏習合)が可能になった、とのことです。
本書では上記のような神道の本質(特殊性)を、神道が辿った歴史を考察しながら、非常に丁寧に解説しています。
本書は、普段あまり我々が意識しない「神道」という日本人のルーツを改めて考える良い機会を与えてくれます。
というわけで、今回は以上となります。
もしやる気が続いていれば次回もあるかな(笑)
知の逆転 (NHK出版新書 395)
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ジャレド・ダイアモンド ノーム・チョムスキー オリバー・サックス マービン・ミンスキー トム・レイトン ジェームズ・ワトソン
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老化は治せる (集英社新書)
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後藤 眞
集英社 (2013-03-15)
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神道はなぜ教えがないのか (ベスト新書)
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島田 裕巳
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■関連
・知財部員の本棚(2013年7月)
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2013/06/05 (Wed)
ちょっと前に書店で見かけて購入した本を紹介します。
「明治の特許維新 外国特許第1号への挑戦! 」。
著者は、櫻井孝氏で、特許庁の審査部長をされている方です。
本書は、特許制度の黎明期である明治時代の話を紹介した、特許の歴史についての本です。
第1章は、日本人で初めて米国特許を取得した人物を巡る物語が紹介されています。
その名を、平山甚太。
横浜の花火製造会社である平山煙火の経営者であった人物です。
彼は昼花火についての発明をアメリカに特許出願し、結果的にそれが日本人の米国特許第1号になるのですが、本書では、平山が米国特許出願から特許を取得するまでを詳細に紹介しています。
第2章は、日本人で初めて英国特許を取得した人物についてです。
西川虎之助という人物で、液化ガスを用いた機械についての発明で特許を取ったそうです。
そして第3章では、日本における特許制度がいかにして制定されたかについて、主に外国人の特許出願の受け入れという観点から、その経緯が事細かに書かれています。
その流れをかいつまんで紹介すると・・・、
・明治4年に日本初の特許法(専売略規則)が制定。→翌年廃止
・明治18年、専売特許条例が施行。この段階では、実質的に外国人は出願適格性が無い。
・アメリカ、イギリス、ドイツなどと条約締結に向けた交渉。(特許等についての内国民待遇などが盛り込まれる)
・明治30年、日本での外国人特許の第1号(アメリカ人)が成立。
という感じになります。
諸外国と条約が締結され、外国人の特許出願が受け入れられるようになるまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
条約の文言を巡っては国内でも様々な議論があったし、さらには条約交渉の際に外交官が暴走して条約の内容が日本政府の思惑と離れてしまったりして、本当に紆余曲折があったんだなということが分かります。
そして、特許制度の制定というのは、当時の外交上の重要問題だったんですね。
本書を読んで、よくもまあ当時のことをこれだけ調べたもんだなぁと思いました。
巻末の、筆者が平山甚太の人物写真を特定するに至ったエピソードが、本書が筆者の粘り強い調査と取材に基づくものであることを端的に表しています。
やはり、このような著者の労力のかかった本を読むのは、有意義であるし、読書ならではの贅沢であると感じますね。
それから、本書を読んでいて、明治時代の熱気というのを感じました。
本書は、物語調の文章ではなく、当時の文書などに基づいた客観的な事実がメインなのですが、それでも、その文章の端々に明治時代の人々の熱い思いがにじみ出ているかんじでした。
明治時代というのは、国の制度やインフラが未整備で国として未熟であった反面、チャンスに溢れた時代でもあったというイメージです。
本書は、そんな明治時代の様子を特許というスコープで覗き見るような、そういった印象を感じずにはいられませんでした。
■関連
・これからの特許の話をしよう
・知的財産戦略(丸島義一)
・女子大生マイの特許ファイル
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「明治の特許維新 外国特許第1号への挑戦! 」。
著者は、櫻井孝氏で、特許庁の審査部長をされている方です。
本書は、特許制度の黎明期である明治時代の話を紹介した、特許の歴史についての本です。
第1章は、日本人で初めて米国特許を取得した人物を巡る物語が紹介されています。
その名を、平山甚太。
横浜の花火製造会社である平山煙火の経営者であった人物です。
彼は昼花火についての発明をアメリカに特許出願し、結果的にそれが日本人の米国特許第1号になるのですが、本書では、平山が米国特許出願から特許を取得するまでを詳細に紹介しています。
第2章は、日本人で初めて英国特許を取得した人物についてです。
西川虎之助という人物で、液化ガスを用いた機械についての発明で特許を取ったそうです。
そして第3章では、日本における特許制度がいかにして制定されたかについて、主に外国人の特許出願の受け入れという観点から、その経緯が事細かに書かれています。
その流れをかいつまんで紹介すると・・・、
・明治4年に日本初の特許法(専売略規則)が制定。→翌年廃止
・明治18年、専売特許条例が施行。この段階では、実質的に外国人は出願適格性が無い。
・アメリカ、イギリス、ドイツなどと条約締結に向けた交渉。(特許等についての内国民待遇などが盛り込まれる)
・明治30年、日本での外国人特許の第1号(アメリカ人)が成立。
という感じになります。
諸外国と条約が締結され、外国人の特許出願が受け入れられるようになるまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
条約の文言を巡っては国内でも様々な議論があったし、さらには条約交渉の際に外交官が暴走して条約の内容が日本政府の思惑と離れてしまったりして、本当に紆余曲折があったんだなということが分かります。
そして、特許制度の制定というのは、当時の外交上の重要問題だったんですね。
本書を読んで、よくもまあ当時のことをこれだけ調べたもんだなぁと思いました。
巻末の、筆者が平山甚太の人物写真を特定するに至ったエピソードが、本書が筆者の粘り強い調査と取材に基づくものであることを端的に表しています。
やはり、このような著者の労力のかかった本を読むのは、有意義であるし、読書ならではの贅沢であると感じますね。
それから、本書を読んでいて、明治時代の熱気というのを感じました。
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