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ブログ移転しました!→ 知財部員を辞めた人のブログ < http://ume-patent.com > 社会人7年目の知財担当者がつづるブログです!2012年に大手メーカーの知財部からIT系企業の法務部に転職。知財担当者の日常や知財実務、書評、キャリアプラン等が主なネタ。
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プロフィール
c302f6a6.jpg UME(管理人)

某IT系企業の知財担当者。
社会人7年目(2013年現在)。
学生時代に一念発起して、弁理士の勉強を開始し、翌年、見事合格!
さらに翌年、大手電気メーカーの知財部に就職し、特許権利化を約5年間担当。
2012年、新天地を目指して、IT系企業の法務部に転職!
このブログを通して、知財部員の生き様が垣間見えれば幸いです。

ご意見、ご感想、相互リンクの申し出などお気軽にご連絡下さい!
(なお、確認するまで時間がかかるおそれがあるので、直にブログにコメントして頂いた方が確実です。)
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2011/11/08 (Tue)
先週末、丸島さんのセミナーに出席するために、虎ノ門の金沢工業大学に行ってきました。

タイトルは、「丸島儀一の知的財産戦略 ~技術で事業を強くするために」!

丸島さんは最近著書「知的財産戦略 」を出したということで、それに関する内容が多かったです。
とはいえ、本人から直に聞く話はとても臨場感と含蓄がありました。

その内容を簡単にまとめてみたいと思います。


知財戦略というのは、まず、事業戦略が前提にあり、この事業戦略を知財の面から実行せしめるものである。

技術系企業においては、まず、技術によって優位性を築き、その優位性を知財によって持続させる。

事業を継続する、又は新たに事業に参入するためには、他社に対する、自社の特許的な強みと弱みの両方を意識しなければならない。

すなわち、自社の強みを確実に守りつつ、 自社の弱みを解消する活動をしなければならない。

この様な活動は、短期間で成果がでるものではなく、技術や事業の先読みをして、5年先、10年先がどうなっているのかを見据えなければならない。

自社の弱みを解消しないまま、事業を行ってしまうと、他社から弱みを責められてしまい、自社の強みを放出することになってしまう。
(その結果、その事業における競争力を失ってしまう。)


以降、この強みと弱みについての具体的な話が続いたわけですが、それは割愛します。
詳しくは著書をお読み下さい(笑)


今回の講義で、自分の中で特に印象に残ったのが、会社において知財部の担当者がどういう仕事をするべきかということです。

上で述べたように、知財部は強みを守り弱みを解消するための活動をしなければならないわけですが、丸島さん曰く、強みを知ることは比較的容易であるが、弱みを知ることは難しいと。

何故なら、開発は強みについては話したがりますが、弱みについては口を閉ざしてしまうためです。

このときに知財と開発(あるいは事業部)との間で信頼関係ができていないと、なかなか本当のことを教えてくれない。

だから、開発や事業部と信頼関係を築いて真実を知ること、そして、開発や事業部が喜んでくれる活動をすること、これこそが知財部の役割だというのです。

逆に、作業的に特許出願、権利化をしているだけだったり、特許収入に固執して、事業のことを鑑みずにライセンスを出すというのは、真の意味での知財の仕事をしていることにはならないということです。

う~ん、なるほど。
なかなか自分には耳の痛い話ではありました。

ここ最近の自分は、それこそ、作業的に仕事をしていたので。

もっと、事業とか開発者のこととかを、ちゃんと考えないといけないなぁと思いましたね。


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2011/10/22 (Sat)
え~、先日、またまた海外旅行に行ってきました。

ここのところ、月1回くらい、ヘタしたらもっと早いスパンで海外旅行を行っているわけで、いい加減クレジットカードの限度額が振り切れそうです(笑)

今回の行き先は香港。

香港にちょっとヤボ用があったのが理由ですが、その用事は一瞬で終わり、ほとんどは普通に観光してました。

さて、今回の旅はどんなものだったのでしょうか?!


九龍側にある、旺角(Monkok)の町並み。76d4a5e3.jpg
休日ってこともあってか、人多杉ってレベルじゃなかったです(笑)
雰囲気的には、アキバと渋谷を足して2で割ったかんじ?
ここの通りは、電気店が立ち並んでいて、非常に賑やかでした。
ちなみに、この通りの一筋横には、ガイドブックとかによく載っている女人街があります。
こちらは、ストリートの両端に服やアクセサリーを売る露天が所狭しと立ち並んでいます。


場所は変わって、ここは海辺の町、西貢(Sai Kung)。5904f4f2.jpg
実は、下で述べるHKUSTに行くためにバスに乗っていたら、偶然ここに辿りつきました(正確にはバスを乗り過ごした)。
写真は、桟橋の下に泊まっていた魚売りの船。
こういうかんじの船が桟橋に沿ってズラーっと並んでいました。

また、海辺には海鮮料理のレストランが立ち並び、非常に活気がありました。3781a563.jpg
おもしろかったのが、どのレストランも店先に魚の入った水槽をいくつも並べており、これが見るだけでもおもしろかったです。
よく見るとちょっとグロいですが(笑)

西貢は、香港らしからぬ、非常に落ち着いた町で、すごく雰囲気が良かったです。
ここに住んでいると思われる白人の人も結構いました。


次に行ったのが、香港科技大学(HKUST)です。HKUST.jpg

ここのMBAプログラムが、アジアでは随一(Financial Times Global MBA Ranking 2011で6位)とのことなので、一度見ておきたかったのです。
学校は東側の山の上にあり、最寄のMTRの駅から、バスで約30分くらい。

人里からは離れていますが、写真奥の吹き抜けからは海を見下ろすことができ、非常に眺めの良いところでした。
休日ということで、学生は少なかったですが、皆図書館などで熱心に勉強していました。
たしかに、こういう落ち着いたところで、じっくり勉強に取り組んでみるのもいいなぁと思ったり。
校舎の付近には、大学関係者用の居住施設(かなり大きい)が完備されており、本当にガチで山ごもりできるみたいです(笑)


翌日は、マカオに行きました。f2373c42.jpg

写真は、マカオの名所、大三巴牌坊(Ruins of the Church of St Paul)です。
住宅街を歩いていたら、突如として、洋風で巨大な建物が現れてびっくりしました!
この他にも、街の中心部などには、ポルトガル統治時代の建物が数多く残っており、香港とは違った雰囲気を味わえます。
 
あと、ポルトガル料理を食べたのですが、これがすごくうまかった!
魚介系の料理が多くて、味付けも日本人好みでしたね。df5ba3cf.jpg

もちろん、カジノもすごかったです。
もっと薄暗くていかがわしいところなのかと思っていましたが、想像以上に豪華でした。
とりあえず、建物がすごく大きくて派手!


 

最後の写真は、九龍側から見た香港島の夜景です。ff6ba88b.jpg
暗くなるにつれて、対岸のビルがだんだんとライトアップされていくかんじがよかったです。
ここら辺は、海浜公園になっており、観光客の数は多いのですが、広々としているのでゆったりできます。
ここで夜景を見ながら、ボーっとするのが自分は好きで、今のところ香港で一番好きな場所です。


と、こんなかんじの香港旅行でした。

実は、私が初めて海外に出たのは、ちょうど2年前(2009年)のこと。
そして、その時の行き先が香港でした。

今回の旅では、前回とはまた違った雰囲気を味わえて、香港ってのは奥が深いところだなぁと思った次第です。
あと、2年前よりも多少は自分の成長が感じられてよかったです。
前は、初海外だったこともあって、無駄にビビって、終始プルプルしてましたからねぇ(笑)
メシ屋にも満足に入れない始末だったし・・・。
それに比べると、今回は、多少旅慣れてきた(そしてちょびっとだけ英語ができるようになった)せいもあって、落ち着いて香港を楽しむことができました。

また行こう、香港!

2011/10/05 (Wed)
もう2週間前の話になりますが、友人とハワイに行きました。

海外と言えばハワイ!ハワイと言えば海外!というほど日本人に親しまれてるハワイです。

そのベタベタなかんじがなんだかなぁと思っていたので、正直、今まで特に行こうとも思っていませんでした。

しかし、友人(今回が初海外)の

「初海外だから、やっぱベタにハワイっしょ!」

という一声により、ハワイ行きが決定したわけです(笑)

そんなかんじでハワイに出発したわけですが、なんだかんだと楽かったです!

その内容を振り返ってみます。


3ae68d18.jpgお約束のワイキキビーチ。
ホテルがビーチに近かったこともあって、毎日、海を眺めたり、泳いだりしました。
ビーチでは、たくさんの外人が日光浴をやっていて、いかにもバカンスという雰囲気が漂っていたのがよかったです。


cad2b616.jpgこれが、サンセットの時のワイキキビーチの写真。

日が沈んでいくにつれて、だんだん海の色が変わっていくのが印象的でした。




588aab35.jpg海だけでなく、山にも行きました。
写真は、ダイアモンドヘッドに登っている際に、途中の展望台で撮ったものです。
行く前は、ハワイはビーチで泳いでいるイメージしかなかったけど、山も非常に良かったですね。
なんか、より自然をダイレクトに感じることができます。


92ff571a.jpgで、これが、ダイアモンドヘッドの頂上からの写真。
頂上では、360度視界が開けています。
う~ん、これは絶景!
写真のように、ワイキキビーチ全部が見渡せるし、反対側には、オアフ島の南東部も見渡せます。



8d8058f7.jpg夜のワイキキの繁華街。
飲食店やブランドショップなどが夜遅くまで開いているし、ストリートでは、楽器演奏や大道芸をやっている人がたくさんいるしで、非常ににぎやかでした。
ただ、DFSというデパートに入ったときに、ほとんどの店がブランドもののバッグしか売ってなかったのには辟易しましたが(笑)

あと、屋内の射撃場があって、生まれて初めて銃を撃ったのが印象的でした。


とまあ、こんかんじのハワイ旅行でした。

今回は、ホノルル、ワイキキ周辺でまったりと過ごすというかんじで、あまり遠出はしませんでした。

もっと時間があれば、オアフ島を一周したり、他の島に行ったりしたかったのですが。

やはり、ハワイを満喫するには、1ヶ月くらどーんと休みを取ってこないとダメだなぁという気がしましたね。
それで、毎日ビーチでのんびりして、夜はイカしたバーでカクテルをあおるみたいな(笑)

実際、浜で寝そべっていた多くの欧米人の方々が、そういう生活を送っているっぽかったので、逆に日本人のせせこましさを感じてしまいました。

次来るときは、がっつり休み取って来るぞ!(笑)

2011/09/30 (Fri)
近頃は、すっかり知財色の薄くなっているこのブログですが、久しぶりに特許関係の記事でも書いてみます。

9月16日に、オバマ大統領が米国特許法改正案「Leahy-Smith America Invents Act」に署名しました。

巷で報道されているように、これによって、アメリカは、先発明主義から先願制度に移行します。

それ以外にも、色々と改正点があり、かなり大規模な改正となるようです。

ネットで調べてみると、創英特許事務所のHPに改正法の概要がまとめられていたので、リンクを貼っておきます。

[特許]米国特許法改正

また、改正法の原文はこちらです。(pdfファイル)

Leahy-Smith America Invents Act

各改正法の施行日は、こちら。(pdfファイル)

America Invents Act: Effective Dates


正直なところ、まだ改正の内容をしっかり把握してないんですが、個人的には、Post-grant Review(特許付与後レビュー)が気になります。

これは、特許付与から9か月以内に、異議申し立てを申立することができるというものですが、まず気になるのが、改正後も存続する査定系のReexaminationとの使い分けについてです。
(ちなみに、当事者系のReexaminationは、Inter partes reviewの導入に伴って廃止)

それから、この付与後レビューの制度が入ったことによって、異議申し立てがらみの仕事がかなり増えるんじゃないかなと。

現状では、ヨーロッパに異議申し立て制度があり、私も何件かやったことがあるのですが、結構大変です。

文章はほとんど英語だし、相手も長々と反論し来るので異議が長期化するしで、異議1件当たりにかける労力が結構なものになります。

また、これは職場の先輩の談ですが、かつて日本にあった異議申し立て制度が廃止になったときに、仕事が一気に減ったそうです。
つまり、日本に異議制度があったころは、それへの対応が仕事の結構な割合を占めていたみたいです。

そんなわけで、異議への対応するには非常に労力を要するものであるので、アメリカに異議申し立て制度が導入されたことで、知財部に凄まじい負荷がかかってくるのではないかなと心配してたりします。


今後も改正法の影響を、注意深く見守っていく必要がありそうですね。


2011/09/07 (Wed)
ちょっと前の話ですが、盆休みにシンガポールに旅行に行ってきました。
今回は珍しく、友人と二人旅。

私がシンガポールに行くのは2回目なんですが、やはりシンガポールはいいっ!!

というわけで、旅行の思い出を振り返ってみようと思います。


b07f9932.jpg奥の方に移っているのが、去年できたばかりのマリーナベイサンズです。
(マーライオン広場から撮影)
実際に中にも入ってみましたが、超ラグジュアリーホテルって感じでした!
ショッピングモールと繋がっていて、そこもバカでかかった!
ちなみに屋上の舟みたいな部分は、プールになっているそう。


f2acfe04.jpgシンガポールの観光地として有名なナイトサファリ。
その名の通り、夜にやっている動物園です。
写真はそこで行われたアニマルショー。
写真中央にいるのが、客席からステージに上げられた少年で、大蛇を巻きつけられています(笑)


8118d457.jpgクラークキー(Clarke Quey)のナイトクラブ。
店の前のオープン席の間で、ベリーダンサーが踊っています。
もちろん、立ち止まってガン見したのは言うまでもありません(笑)

クラークキーはおしゃれで且つ開放的で、非常に好きな場所です。


48309611.jpgゲイラン(Geylang)地区にあるマーケット。

まじ人多杉!!

ここらへんは、昔ながらのシンガポールの面影が残っている場所なんだそうです。


dbac69d3.jpgヒンドゥー教の寺院。
中に入ったら、民族音楽みたなのを演奏していました。
エキゾチックここに極まれりっ!という感じで圧倒されましたね。
ちなみに、ヒンドゥー教の寺院に入る際には、靴を脱いで裸足にならなければいけないみたいです。


6b93784f.jpgシンガポールのご当地料理の一つ、ラクサ(Laksa)です。
ココナッツベースでちょいピリ辛のスープに麺が入っています。
他にも、バクテー(ポークリブスープ)とかプラウンミー(えびラーメン)などを食べました。
他民族国家なので、ほんとたくさんの種類の料理があるし、どれもうまいです。
料理屋もそこらじゅうにあって、より取り見取りです!


今回の旅では、シンガポールのエキゾチックな場所を多くまわったので、前回来た時とは違った一面を見ることができましたね。

近代的なビルが立ち並ぶ都市部から10 kmも離れてないような場所に、リトルインディアやゲイラン地区みたいなところがあったりして、ほんとおもしろいです。

これだけ全く異なるカルチャーが密集している国は、世界でも珍しいんじゃないでしょうか?

こういう振れ幅がデカいところがシンガポールの魅力の一つだと思いますね!

というわけで、今回のシンガポールも非常に楽しかったです!
また行きたいなぁ。

■関連

旅情 ~シンガポール編~
旅情 ~台湾編~


2011/08/25 (Thu)
下町ロケット 池井戸潤氏の「下町ロケット」です。

本書は、直木賞受賞作品であり、現在書店で盛んに宣伝されています。

特許についても書かれているらしく、特許関係者の間でも話題になっていたので、私も買ってみました。

本書のタイトルから、下町の少年達がロケットを飛ばすために奮闘するロマンチックな青春ストーリーなのかなぁと勝手に想像していましたが、実際は、中小企業の厳しさがひしひしと伝わってくる超リアルな話でした(笑)


あらすじは以下の様。

ロケットエンジンの研究者であった佃は、現在は、父親から引き継いだ佃製作所の社長をしている。

佃製作所は、主にエンジン部品を製造するメーカーで、特に、水素エンジンのキーパーツである水素エンジンバルブの研究開発に力を入れていた。

ある日、佃は、部品の納入先の企業から、取引の打ち切りを一方的に言い渡される。
大口顧客を失い、佃製作所の売り上げが落ち込む中、今度は競業他社であるナカシマ工業から特許訴訟を起こされる。
裁判で多額の資金が必要となるため、銀行に融資を依頼するも、特許訴訟を受けていることに加え、実用化の目処が無い水素エンジンバルブに多額の研究費を使っていることから、融資を断れられてしまう。

手持ち資金から、会社はもって一年。

この様な危機的状況の中、佃製作所はどうなってしまうのか?


本書では、主に社長の佃の視点から話が綴られており、中小企業の経営者がどういうものであるかということをプチ体験できます。

個人的に、本書の見所は、大きく二つあるのではないかと思っています。

一つは、数々の困難に対して、佃がどのような決断を下していくのかということです。

経営者というのは、まさに選択肢の連続!
上記の特許訴訟をはじめ、その後も大きな事件が次々と起こります。
それに伴って、佃は、会社の運命を左右するヘヴィな決断を、次々と迫られることに・・・。

それらは、究極的には、研究開発型企業としての(あるいは一技術者としての)夢を追求するのか、それとも経営者としての合理性をとるのか?ということに帰結するものです。

これが本書のテーマとなっていると思います。

その決断について、佃は、従業員を預かる経営者としての立場と、ロケットへの夢を捨てきれない技術者としての立場との間で揺れ動くことになります。

その苦悩のエッセンスが、以下の佃の言葉に凝縮されています。

「会社とはなにか。なんのために働いているのか。誰のために生きているのかー」

最終的に、佃の決断が効を奏して、大企業相手に奮闘する痛快な展開になるわけですが、仮に自分が佃の立場だったら、どのような決断をするのか?というのを非常に考えさせられました。


もう一つは、恐らく今の日本の現状をリアルに描写していると思われる、中小企業の置かれた環境です。

立場の弱い中小企業に対して、自らの都合を強引に押し付ける大企業のあり方。

資金力の乏しい中小企業に不利な、司法制度。 それを利用して、中小企業の技術を巻き上げようとする大企業。

経営が厳しくなった途端に、融資を打ち切ろうとする銀行。

企業の持つ技術力について正当な評価できる機関があまりにも少ないこと。

佃製作所のような高い技術を有する中小企業が虐げられている現状が、技術立国を目指す日本にとって、本当に良いことなのか?

本書を通じて、筆者からこの様な問題提起がされているように思えてなりません。


色々述べてきましたが、本書は、熱い技術者魂が炸裂する痛快なストーリーであることは間違いありません。

多少なりとも技術に関わったことがある人間なら、本書を読んで熱くならなきゃウソでしょ?!

■関連

パテントトロール
雲を掴め 富士通・IBM秘密交渉
雲の果てに 秘録 富士通・IBM訴訟

下町ロケット
下町ロケット
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